浅間神社|富士の湧水と浅間信仰

浅間神社

雨に濡れた黒い板壁と、苔むした狛犬。扁額には確かに「浅間神社」と読める。ここは山梨県南都留郡忍野村忍草——富士の北麓である。

この里は富士に降った雪と雨が、地に沈み、玄武岩の層をくぐって二十年ほどの歳月をかけて濾され、盆地に湧き出す場所だ。火の山が、水の恵みへと姿を変えて還ってくる場所。人がここに社を建てたのは、その水脈の口だったからだ。

その湧水を器に、この地は蕎麦とわさびを育ててきた。冷たく清らかな伏流水はわさび田を潤し、痩せた火山灰土は蕎麦を実らせる——富士の地形が生んだ、水と痩せ地の恵みだ。

その上に「浅間」の名が被せられた——木花咲耶姫命として信仰されてきた。火の山・富士の荒ぶる噴火を鎮める神として、全国の浅間社に祀られてきた。この社が祀るのは、その伝承に根ざした富士信仰である。

記録した写真

📍 35.462158, 138.833008(日本、〒401-0511 山梨県南都留郡忍野村忍草456)



物語と写真 © KAMI-LEGACY(achoo合同会社)。説明板の原文は各社寺のものです。
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