茨城県

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元禄こぶし|三百年、白い花で田打ちを告げる古木

二本の幹が、根元で寄り添い、空へ向かって裂けるように立ち上がっている。灰白の樹皮は縦に捻れ、長い年月の風雪を刻んで、見上げれば梢は若い緑で満ちている。
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下浅間神社|火を宿す姫神と、平野を見下ろす磐座

丸太を組んだだけの素朴な鳥居に、墨で「下浅間神社」と記した木札が掛かる。塗りも金具もなく、木肌は苔と雨にさらされて灰色に褪せている。くぐった先に社殿はない。待っているのは、斜面に食い込むように据わった巨大な一枚岩だ。
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愛宕神社|磐座の上に火伏せの神、小田城を望む丘

杉と照葉樹の暗い斜面を、石段と花崗岩の鳥居がまっすぐ貫いている。実測の標高はおよそ九十一メートル、周囲を見れば北・東・南・西がゆるく落ち、北東と南東がわずかに高い——尾根筋から一段下がった腹に、社は腰を据えている。
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八幡宮|小田の丘に立つ、武神の鳥居

坂の途中に、石の鳥居がひとつ立っている。標高はおよそ二十七メートル、北と東が高く、南と西へ土地はゆるやかに落ちていく——段丘のへりだ。鳥居の額束にも、傍らの社号標にも、刻まれているのは「八幡宮」の三文字だけ。
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小田不動尊 磨崖不動明王立像|月待の夜、女たちが灯した観音への祈り

宝篋山の北の裾、小田の集落から山へ分け入る斜面の途中に、これらの石は立っている。標高はおよそ四十二メートル、南と西へ土地は落ち、北と東へ高まる——つまり山へ向かう道の脇だ。
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磨崖不動明王立像|花崗岩に刻まれた忿怒、常陸の山裾に八百年

宝篋山の山裾、標高およそ四十四メートルの斜面の途中——南と西へ地が落ち、北と東へせり上がる、ちょうど水が集まり、また流れ出す段丘の折り目に、この祈りの場は置かれている。
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硯石|峰へ続く道に、水を湛える一石

落ち葉を踏む細い山道に、木を削っただけの素朴な道標が斜めに立っている。墨で太く「硯石」と記され、その下に小さな振り仮名が添えられているが、ここは掠れて確とは読めない。
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稲荷神社|宝暦に伏見より迎えし、水郷の高台に灯る稲の霊

潮来の町の只中、標高二十二メートルほどの台地の上にこの社は建つ。国土地理院の実測が告げるとおり、ここは周囲より一段高い高台だ——北西にわずかに迫る高みを除けば、東も南も、低く水に向かって落ちていく。
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神明神社|丘の上に遷された、伊勢の光の分け御霊

石段を上りきったところに、苔むした石の鳥居がひとつ立っている。笠木はゆるやかに反り、長い年月で表面は白く斑に荒れ、注連縄は細く垂れて、人の手がまだ時おり触れていることを告げている。
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田中稲荷愛宕神社|狐が守る低地の縁、火伏せと稲りの二柱

茨城県筑西市、旧下館の町なかに、朱塗りの小さな社殿がある。背後には電線と二階家、脇には幟が二旒——「田中稲荷愛宕神社」と「田中〓商〓〓〓〓〓」。

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