寺

東京都

聖天堂|象頭の渡来神が抱く、和合の秘法

杉木立に湿った空気の抜ける山腹、標高およそ五二五メートルの段丘の途中に、この小さな堂は建つ。西に地が高く、北から南へ斜面が落ちていく。
静岡県

大仙山正法院|六道を照らす地蔵と、石仏群の眠る禅の丘

杉の巨木が真っ直ぐに天へ伸び、その根方に苔むした参道が続く。社号標ならぬ寺号標には「曹洞宗 大仙山正法院」と刻まれ、道路からわずかに退いた石段の奥に、静かに堂宇が佇む。ここは伊豆半島の付け根、函南町畑毛(はたけ)。
茨城県

宮山観音堂|古墳の丘に祀られた、鹿島の本地仏

まず、足の下を読む。この観音堂が立つのは、ただの高台ではない。全長九十二メートル、後円部の直径四十五メートル、5世紀早期に築かれたと考えられる前方後円墳——宮山観音古墳の、その頂だ。
茨城県

長信院|常陸の丘に坐す、曹洞の禅刹

砂利の参道が、住宅と生垣のあいだをまっすぐ奥へ伸びている。両脇に立つのは新しい石柱で、右に「曹洞宗」、左に「長信禅院」と刻まれ、道の入口に白い看板が「曹洞宗 長信院」と掲げる。
茨城県

薬師堂|筑波の裾、臼井の里に灯る癒しの堂

草地のただ中に、一棟の堂がぽつりと立っている。瓦を葺いた入母屋の屋根は深く軒を伸ばし、風雨に黒く灼けた板壁と、格子窓を穿った両開きの扉が、正面を静かに閉ざしている。
茨城県

下館成田山 極楽寺|不動の炎を下館に分かつ、真言の門

瓦を厚く葺いた薬医門が、車の行き交う県道にまっすぐ顔を向けて立っている。右手の社号標には「真言宗極楽寺」、門の左手の石柱には「下館成田山」と刻まれ、看板から読める事実はここまでだ——この寺は真言宗の一寺であり、下館の地に…
茨城県

報恩寺|親鸞の高弟が拓いた、常総の念仏道場

飯沼の水辺に近い、常総市豊岡町の平地に、この寺は静かに構えている。まず読むべきは名でなく地形だ——ここは鬼怒川と小貝川に挟まれた低湿の沖積地、かつて広大な飯沼が横たわり、水と共に人が暮らした土地である。
茨城県

泉谷山 寳安土寺|門に戒めを刻む、禅の寺

ここはつくば市北条。宝篋山(ほうきょうさん)の裾が平野へ落ちるあたりに位置する土地で、丘のきわに寺と墓域が並ぶ。石段を上がった正面に、瓦を葺いた本堂と、鐘楼が静かに構えている。
茨城県

常願寺|兵火を生きのびた雨乞いの阿弥陀三尊

まず土地から読む。ここは鬼怒川と小貝川に挟まれた下妻の低平地、常陸国真壁郡の西の縁だ。増水すれば水に浸かり、日照りが続けば田が割れる——水に翻弄される平野である。
茨城県

慈眼山三光院普門寺|小田家の祈願寺、六百寺を束ねた常陸の田舎本寺

まず土地から読む。ここは筑波山塊の西南麓、神郡(かんごおり)の丘の裾だ。参道の傍らに石灯籠が対で立ち、緑の生垣が水路に沿って伸びる——山から落ちる水と、その水を頼りに開かれた田の縁に、寺は錨を下ろしている。