男女川恋歌碑|峰より落つる水に、恋を積む

茨城県
男女川恋歌碑

まず山を見よ。名より先に、この石がなぜ「ここ」に据えられたかを、地形が語っている。筑波は二つの峰を持つ山だ——東に女体山、西に男体山。その谷あいから細い水が湧き、里へ落ちてゆく。これが男女川(みなのがわ)だ。男と女、二つの峰を父母として生まれ、一筋に下る水。名前からして、この川は初めから「恋」の器として名づけられている。石碑はその水系に錨を下ろして立つ。

説明板に記されているのは、この地に立つ石の歌題と作者に関わるもので、ここで確かなのはそれらだけだ。読めない字を、それらしく埋めることはしない。

筑波山の麓は花崗岩と湧水の地で、清冽な水に恵まれる。麓の門前では蒸した「筑波うどん」や、山の名を負う土産が今も商われ、参詣と観光の往来を潤してきた——水の落ちる山が、そのまま人の集う場を養ってきたということだ(この地形なら、と読める範囲で)。近くに「連歌発祥之地」の碑が立つことも、この山が古来「言葉を掛け合う場」であった記憶をとどめている。

記録した写真

📍 36.211986, 140.093017(日本、〒300-4353 茨城県つくば市沼田1698)



コメント

タイトルとURLをコピーしました