
まず、名を急がずに地形から読む。ここは丘の頂だ。説明板に「南北七〇メートル・東西三〇メートルの範囲に巨大な岩が積み上げられたような状態」とあり、標高四八メートルを超えるこの一帯の最高点だと記す。数字は小さいが、関東平野の縁でこれは意味を持つ——見晴らしが利き、晴れれば遠く富士まで望めるという。花崗岩の巨塊が幾つも重なり、苔と木の根がそれを縛り上げている写真の様子は、自然の風化が造った岩塊のようでもあり、人が意図して積んだ祭祀の場のようでもある。訪れたあなたが「巨岩に刻まれた模様が気になる。祭祀跡か」と呟いたのは、この両義性を的確に嗅ぎ当てている。
遺跡に祭神はいない。だから看板に無い神仏を立てることはしない。
その古い岩の上に、後から一つの名が被さった。「弘法の硯石」である。横たわる石を弘法大師(空海)が墨を擦った石と呼び、渇水期にも涸れぬ水が溜まり、その水で墨を擦って習字をすれば字が上手くなると伝える。これは看板に記された伝説だ。
記録した写真





📍 36.259272, 140.046892(日本、〒300-4504 茨城県筑西市宮山495)


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