平沢官衙遺跡|筑波の麓に建つ、古代の税倉

茨城県
平沢官衙遺跡

【陽の由緒】

まず名ではなく、なぜ「ここ」かを読む。この丘は筑波山塊の南麓、平野を見晴らす一段高い台地にある。背後に山が水を溜め、前に肥沃な稲田が開ける——古代の役人が郡の中枢を置くには理にかなった地形だ。看板が言い切るとおり、ここは千年以上前の奈良・平安時代、常陸国筑波郡の役所跡(郡衙)である。復元された高床式の建物群は、そのころの税である稲や麻布を納めた「正倉」——郡役所の税倉——と考えられている。昭和50年(1975)の調査で重要性が判明し、昭和55年(1980)に国史跡指定、平成9年度からの復元でこの姿が甦った。〈土地の恵みの作法〉出土に焼米があると板は記す。ここに集められたのは、まさに稲だった。筑波の山が落とす豊かな水系がこの平野の水田を潤し、その稲が税として運び込まれ、この倉に積まれた。今も広がる周囲の田は、その延長にある——土地が育てた米が、そのまま律令国家の胃袋に吸い上げられていく現場が、この丘だったと読める。

記録した写真

📍 36.177131, 140.103727(日本、〒300-4231 茨城県つくば市北条1446−3)



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