雲井宮郷造神社|常陸の杜に残る古い名

茨城県
雲井宮郷造神社

石の鳥居に「雲井宮」、その傍らの社号標に「雲井宮郷造神社」——読めるのはこの名だけだ。祭神を記した由緒板はこの一組の写真からは確認できない。

ここは常陸国の西端、いまの筑西・倉持。関東平野が鬼怒川・小貝川の水系へなだらかに開けていく低地の縁に、杉と広葉樹の鎮守の杜がこんもりと残り、その奥に瓦と銅板の社殿が沈んでいる。田と集落の中に島のように残る杜——これは境内が新しく囲われたのではなく、開墾の波が押し寄せる前から「ここだけは伐らずに残された」古い聖地の姿だ。名より先に、この盛り上がった森そのものが信仰の化石である。

神門をくぐると、白地の幕に染め抜かれた三つ巴の紋が目を引く。

今もこの社は杜を伐らず、灯は絶えていない。過去の時層の中で、この地に残された名と杜が、長く守られてきたことが感じられる。

記録した写真

📍 36.237033, 140.037308(日本、〒300-4515 茨城県筑西市倉持928)



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