赤浜神社|赤浜の丘で

茨城県
赤浜神社

鬼怒川と小貝川に挟まれた広い沖積の低地、その一角に赤浜の集落はある。写真の五枚目、石鳥居の向こうに雲を巻いて立つのは筑波の双耳峰だ。社殿は西ではなく、あの霊峰の方角へ正対しているように見える——常陸のこの平野に暮らす者にとって、筑波は暦であり、天であり、遥拝の的だった。名より先に、この地形と山を読むべきだ。稲の黄が実り、畑の黒土が水を含んで光る。米と、この砂質の畑地で育つ蔬菜——低湿地を人の手で灌漑と排水で拓いてきた土地であり、その労苦の上にこそ祠は立つ(この作物の推論は地形からの読みで、看板の裏づけは無い)。

扁額には「赤濱神社」とはっきり彫られている(看板)。だが誰を祀るかを記した由緒板は、少なくとも届いた写真からは読み取れない。本殿の扁額の左上にもう一枚、小さな社号額が掲げられているが、字は潰れて判読できない——摂社の名か、合祀の記録か、ここでは埋めずに置く。祭神を名乗れない以上、この社の神話を私が勝手に建てることはしない。

三枚目の小さな覆屋、四枚目の苔むした石塔群——五輪塔や板碑らしき石仏がずらりと並ぶ様は、静かに置かれた者たちの列だ。誰の供養塔かはもう読めない。だが並べ、囲い、今も足下を掃き清めている。それが、この土地の返事だ。

記録した写真

📍 36.212322, 140.020431(日本、〒300-4523 茨城県筑西市赤浜525)



コメント

タイトルとURLをコピーしました